営業が終わって金庫を数えたとき、レジの現金と帳簿の売上が合わない。理由を追いかけると、カード払いの受注が現金と同じ欄に積まれていた——風俗店の締め作業で、これはよくある詰まり方です。売上としては立っているのに、その日の手元には一円も入っていない。この差を毎日その場で分けておかないと、月末に何時間もかけて突き合わせることになります。
この記事では、風俗店のクレジット決済を現金と切り分けて記録し、手数料を含めた実際の決済金額と、店に残る手取りを別々に読むための手順を説明します。
カード払いを現金と同じ箱に入れると何が崩れるか
その日の入金額と売上額がずれる
売上が10万円でも、そのうち6万円がカード払いなら、営業終了時に金庫へ入るのは4万円です。ところがキャストへのバックや当日の経費は、決済手段に関係なく現金で出ていきます。売上だけを見て「今日は回った」と判断すると、手元の現金はむしろ減っている日がある。この食い違いは、決済区分を受注単位で持っていない限り、後から再現できません。
手数料を引く前の数字で経営判断をしてしまう
カード決済には決済代行会社の手数料がかかります。手数料率が何%で、実際にカードへ通した金額がいくらだったのかを記録していないと、入金明細が届いたときに「どの受注のぶんか」を追えません。売上総額だけをノートに書いている店では、手数料は月末にまとめて経費として現れ、日々の判断からは抜け落ちます。
受注の時点でクレジット決済の金額を確定させる
CYENでは受注フォームの中にクレジット決済の欄があります。チェックを入れると、その受注の総額に店舗設定で登録した手数料率を掛けた金額が、決済金額として自動で入ります。コース料金、指名料、交通費、オプション、割引まで反映したあとの総額が計算の土台になるため、受付スタッフが電卓を叩く場面がありません。

金額は自動で入りますが、上書きもできます。端数の扱いが決済端末と違う場合や、一部だけカードで受け取る場合は、実際に通した額をそのまま入れておけば、後の集計はその数字を使います。決済コードの欄には端末の伝票番号を残せるので、入金明細と受注を1件ずつ突き合わせられます。
決済確認が済むまで受注を先へ進められない
クレジット決済にチェックが入った受注は、「決済確認済み」を押すまで確定にも接客開始にも進めません。ボタンが押せない状態になり、画面には決済確認後に進める旨が表示されます。カードが通らなかったのにキャストを送り出してしまう、という事故を仕組みで止めるための制限です。確認した時刻も記録として残ります。
売上管理の画面で現金とカードを分けて集計する
受注の時点で決済区分が入っていれば、集計は自動です。売上管理では期間を指定するだけで、売上総額、現金売上、クレジット売上、クレジット決済額の4つが並びます。クレジット売上は手数料を含まない受注総額、クレジット決済額はカードへ通した手数料込みの金額です。両方が同じ画面にあるので、入金される前の売上と、決済端末を通った金額を取り違えません。

日別集計にも同じ4列が並ぶため、カード比率が高い日と現金中心の日を見分けられます。カードがまったく使われなかった日はクレジット売上もクレジット決済額も0円になり、逆に大型コースが続いた日は決済額だけが跳ね上がります。キャスト別の集計でも現金とクレジットの内訳が出るので、特定のキャストにカード払いが偏っているかどうかも読み取れます。より広い集計の考え方は売上管理システムの全体像を扱ったガイドにまとめています。
手取りは現金収支と営業収支を分けて読む
日報には、現金収支と営業収支という2つの収支が別々に出ます。現金収支は現金売上からバック総額と経費を引き、その他収入を足した金額。営業収支は同じ計算を売上総額で行った金額です。カード比率が高い日ほど、この2つは大きく離れます。
たとえば売上総額72,000円のうち現金が18,000円、クレジット売上が54,000円、バック総額が43,000円、経費が9,000円の日なら、営業収支は20,000円のプラスでも、現金収支は34,000円のマイナスになります。カード分の入金がまだ届いていないためです。この日の決済額は59,400円で、手数料5,400円が上乗せされた金額がカードを通っています。
営業収支だけを追うと資金繰りを見誤り、現金収支だけを追うと稼げた日を過小評価します。両方を並べて持つことが、カード払いのある店で手取りを正しく読む条件になります。バックの内訳はキャストのバックを自動計算する仕組みで、日次の集計手順は日報で売上を集計する記事で扱っています。
紙の集計と比べて何が変わるか
| 観点 | ノート・表計算で管理 | 受注データで管理 |
|---|---|---|
| 決済区分の記録 | 受付メモに手書き。抜けると復元できない | 受注1件ごとに現金かカードかが確定する |
| 手数料込みの金額 | 締め作業で電卓を叩いて算出 | 総額から手数料率で自動計算 |
| 日ごとの内訳 | 転記しないと出せない | 日別集計に決済区分ごとの列が並ぶ |
| 手元の現金 | 売上額と混同しやすい | 現金収支と営業収支が別々に出る |
| 入金明細との照合 | 伝票を1枚ずつ探す | 決済コードで受注に紐づく |
締め作業そのものを軽くする考え方は月末の締め作業を日次に分散させる記事でも触れています。
風俗店の運用に落とし込む手順
- 店舗設定でクレジット手数料の率を登録する。0.1%単位で入力でき、決済代行会社との契約率をそのまま入れる
- カード払いの受注は、受付の時点でチェックを入れる。後から思い出して直す運用にしない
- 決済端末を通したら、伝票番号を決済コードへ入れて「決済確認済み」を押す
- 営業終了後は日報で現金収支と営業収支の両方を見る。現金収支がマイナスの日が続くなら、入金サイクルと支払いのタイミングを見直す
- 入金明細が届いたら、期間を指定した売上管理のクレジット決済額と突き合わせる
風俗店の現場では、受付が忙しい時間帯ほど記録が雑になります。だからこそ、決済区分は受注を作るその瞬間に押さえるのが確実です。受付の1クリックが、月末の数時間を肩代わりします。
よくある質問
手数料率は店舗ごとに変えられますか
店舗設定の「クレジット手数料」に0〜100%の範囲で入力します。0.1%刻みで設定でき、保存すると以降の受注はその率で決済金額を計算します。過去に登録済みの受注の金額は書き換わらないため、率を変更しても締めた数字は動きません。
手数料を客側に乗せない場合はどうしますか
決済金額は自動計算のあとで書き換えられます。手数料を店が負担する運用なら、決済金額に受注の総額をそのまま入れてください。クレジット売上とクレジット決済額が同額で並ぶので、手数料を客に乗せていない店だと後から見てもわかります。
現金とカードの半々払いには対応できますか
受注の決済区分は現金かクレジットのどちらかです。半々で受け取る場合は、実際にカードへ通した額を決済金額へ入れる運用になります。受注メモに現金で受け取った額を書き添えておくと、日報を見返すときに内訳をたどれます。
会計ソフトへ渡すデータは出せますか
売上管理から期間を指定してCSVを出力できます。決済区分、クレジット決済額、決済確認の状態、決済コードが列として含まれるため、入金明細との照合や仕訳の作成にそのまま使えます。
カード売上と現金売上が分かれた画面を見てみる
受注フォームでの自動計算から、日別集計と日報の収支まで、実際の画面をデモでそのまま操作できます。自店の手数料率や入金サイクルに合うかどうかは、個別にご相談ください。
