出張先に向かったキャストから、予定の時刻を過ぎても連絡が来ない。電話をかけても出ない。事務所でできることは、もう一度かけ直すことと、次の予約を止めるかどうか迷うことだけ。この数分間の落ち着かなさは、風俗店の運営をしていれば誰もが知っているはずです。そして多くの店で、キャストの安全対策は「何かあったら電話して」という口頭の約束のまま止まっています。
この記事では、キャストが手元のアプリから種別を選んで送るSOSボタンと、店舗の予約ボードに出る緊急アラートの仕組みを説明します。あわせて、通知が届いたときに誰がどう動くかを決めておくための運用の型も整理します。
「何かあったら電話して」が届かない理由
電話は、かけられる状況でしか使えない
電話は相手に話しかける手段です。つまり、席を外せて、声を出せて、数十秒の会話ができる状況が前提になります。ところが実際に助けが必要な場面は、その前提が崩れているときです。相手の目の前で店に電話をかけるのは難しく、状況を説明する言葉を組み立てる余裕もありません。「危ないと思ったら連絡して」という約束は、いちばん必要な瞬間に使えない設計になっています。
店側も「今どこで何をしているか」を持っていない
もうひとつの問題は店舗側にあります。紙の予定表とスタッフの記憶で回している店では、誰がいつ入って、いつ終わる予定なのかが一箇所にまとまっていません。連絡が来ないことに気づくのが遅れ、気づいてからも「そもそも何時開始だったか」を探すところから始まります。キャストの安全対策を仕組みにするには、通報の手段と、店側が状況を持っていることの両方が必要です。
SOSボタンは、種別を選んで押すだけで店舗に届く
CYENでは、キャスト専用アプリの予約詳細画面に「緊急連絡」の枠が出ます。文章を書く必要はありません。あらかじめ用意された5つの状況から当てはまるものを1つ選び、「店舗へ通知」を押すだけです。
- ルール外要求がひどい
- 盗撮された
- 乱暴された
- 至急連絡ください
- とにかく部屋に来てください
選択肢が状況の言葉になっているのは、緊急時に説明させないためです。「盗撮された」と「至急連絡ください」では、店が取るべき初動がまったく違います。種別が最初から分かれていれば、通知を見た瞬間に次の行動が決まります。押した直後には確認のメッセージが出るので、画面に触れただけで送信されてしまうこともありません。

この枠が出るのは、そのキャスト本人の、接客中の予約だけです。他のキャストの予約や、まだ始まっていない予約から通知が飛ぶことはありません。誰の、どの予約で起きたことなのかが、通報と同時に確定します。
店舗側は音と通知センターで気づく
通知は、店舗が普段開いている予約ボードの上部にある通知センターに入ります。緊急連絡アラートとして件数が表示され、1件ごとに送信日時、キャストの名前、受注番号、選ばれた種別が並びます。表示と同時に警報音が鳴るため、画面を見ていなくても気づけます。ブラウザーの設定で音声が止められている場合に備えて、代替のブザー音を鳴らす仕組みも入っています。

予約ボードは1分ごとに自動で表示を更新します。受注フォームに入力している最中は更新が止まるため、打ちかけの内容が消えることもありません。事務所のパソコンでボードを開きっぱなしにしておけば、誰かが更新ボタンを押さなくても通知が上がってきます。
対応が終わったアラートは、その場で確認済みにすると通知センターから消えます。裏を返せば、誰も触っていないアラートは画面に残り続けるということです。「見た気がする」で流れてしまう口頭の連絡と違い、未対応のものだけが残る形になります。
SOSが働く前提は、接客開始を押す運用
緊急連絡の枠は、キャストが到着して「接客開始」を押した予約に出ます。つまり、この一手間がキャストの安全対策の土台になっています。接客開始を押した時点で、その予約は接客中になり、終了予定の時刻は実際に開始した時刻から計算し直されます。予定より遅れて始まった日も、店とキャストが同じ終了時刻を見ることになります。
店舗設定には接客終了アラームがあり、終了予定の何分前に通知するかを分単位で決められます。0分または空欄にすれば通知は出ません。10分前に設定しておけば、終了間際のタイミングで通知センターに一覧が出るので、時間になっても完了の操作がない予約に気づけます。SOSが押されない異常、つまり「押す余裕もない状態」や「押し忘れたまま連絡が途絶えた状態」に対して、店側から気づくための線がここに入ります。
通知が届いたあとの初動を先に決めておく
仕組みを入れただけでは安全対策になりません。風俗店の現場は人の入れ替わりが早く、その場の判断を個人の経験に任せると対応の質がばらつきます。通知が鳴ったときに誰が反応し、何分以内に何をするかを、事前に紙1枚で決めておきます。特に種別ごとの初動を分けておくと、当番のスタッフが判断に迷いません。
| 観点 | 口頭の約束だけの店 | SOSボタンと緊急アラートを運用する店 |
|---|---|---|
| 通報の手段 | 電話。話せる状況が必要 | アプリで種別を1つ選んで送信 |
| 店が受け取る情報 | 会話で聞き取る | 日時・キャスト・受注番号・種別が最初から揃う |
| 気づき方 | 着信に気づいた人だけ | 警報音と通知センターの残り件数 |
| 連絡が途絶えたとき | 気づくのが遅れる | 接客終了アラームで終了予定前に気づける |
| 対応の記録 | その場の口頭 | 未対応のアラートが画面に残る |
決めておく項目は多くありません。事務所側の一次対応者、電話をかけ直す番号の順番、ドライバーが向かうまでの目安時間、そして警察や関係先へ連絡する判断の線引きです。「とにかく部屋に来てください」が届いたときに送迎中のドライバーへどう回すかまで決まっていれば、通知は行動に変わります。キャストの送迎と現在地の共有については、送迎管理とドライバーポータルの運用もあわせて整えておくと動きが速くなります。
そして、この安全対策は採用の場面でも効きます。面接で「危ないときはすぐ電話して」と言う店と、実際の画面を見せて「ここを押すと事務所で音が鳴ります」と説明できる店とでは、伝わり方がまったく違います。アプリでできることの全体像はキャスト専用アプリでできることに、出勤管理まで含めた流れは風俗店のシフト管理システム完全ガイドにまとめています。
よくある質問
SOSボタンは誰でも押せますか
ログインしているキャスト本人が、自分の接客中の予約に対してだけ押せます。他のキャストの予約や、開始前・終了後の予約から通知は送れません。専用の端末を配る必要はなく、普段使っているスマートフォンのブラウザーからそのまま操作できます。
事務所に誰もいない時間帯はどうなりますか
通知は予約ボードを開いている画面に出るため、誰も画面を見ていない時間帯は気づけません。夜間に人が減る店では、当番のスタッフがボードを開いた端末を手元に置く運用にしておくのが現実的です。通知センターに残り続ける性質を利用して、出勤したスタッフが最初に未対応の件数を見る習慣にしておくと取りこぼしが減ります。
誤って押してしまった場合はどうしますか
送信前に確認のメッセージが出るので誤送信は起きにくいのですが、届いてしまった場合は事務所から本人へ連絡を取り、問題がなければそのアラートを確認済みにして閉じます。誤操作を叱ると次から押さなくなるため、「迷ったら押していい」と伝えておくほうが安全対策としては機能します。
安全対策を、口頭の約束から画面の仕組みへ
キャストがどの画面から通報し、店舗のどこに何が出るのかは、実際の画面で見るのがいちばん早くわかります。デモ画面では緊急連絡の枠と予約ボードの通知センターをそのまま触れます。自店の体制に合わせた運用の組み立ては、個別にご相談ください。
